9月15日

葉山に行ってきた。ぶらり、ひとりで遠出をするのは久しぶり。
逗子駅からバスに揺られて20分ほど、途中海が見えた。ヨットが浮かんでいる。遠くまで来たな、と思う。

はじめての町、はじめて歩く路地、街並み、人。庭先にはボートが置いてある。すれ違う人たちは皆ビーサンを履いている。とても狭い通りが多く、かつバス便も多いのでよく車が待ち合う。脇道も坂道も多くて、すぐ車庫入れの達人になりそうな家がいくつも並ぶ。外壁の木材が結構荒れている家も多い。ペンキをべたりと塗っている家も多い気がする。いつもと少しだけ違う光景が「今、僕は旅行者なんだ」と自覚させる。

 

バス停を降りると海が広がっていた。潮の香りはあまりない。海水浴という季節でもないので、比較的海辺は静か。まばらにサーファーやヨットクラブの人、桟橋には釣り人がいる。黙々と海を楽しんでいる。

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お目当ての友人の個展へ。海とは逆方向へ道なりにそって足を進めると、小高い丘に長屋が建っていた。6畳と8畳の和室。襖を開けると大広間になる昔ながらの間取り。壁には日常風景を切り取った写真が並ぶ。5年ぶりの会話に若干戸惑いながらも、お互いの状況を確かめる。風景が波打つ昔ながらの窓には、遠くの海がゆらめいて映る。

 

逗子での生活は、とても和やかなんだそうだ。道ばたで車にクラクションなんて鳴らされたことがないよ、と言っていた。そういうえば、東京はクラクションがよく飛び交う街だと思う。いつのまにかそういうもんだと思っていた状況が、少し窮屈に思えた。まぁ、とは言っても懐かしいわけではない。地元はクラクションが鳴らない代わりに運転が荒いから(伊予の早曲がり、とも言うほどだし)。

 

ちょうど帰路につく時間帯が混み合った。バスはぎゅうぎゅう詰め。サングラスと麦わら帽で溢れかえっている。せっかくだから切りの良いところまで、と歩いていると逗子駅に到着してしまった。砂浜やベーグル屋に寄り道しながらの、1時間ほどの道のりだった。

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海沿いの土地には、特有の雰囲気や佇まいがある。ボードを抱えていようがビーサンで歩こうが、生活の一部になるまで使い倒された風景はとても乾いていて色褪せていて気取っておらず、だからこそ格好よく見えることがある。ビーサンを履いていても、ちょっとタバコを買うために履く草履とは違うものに見える。歩き方も少し違うのかもしれない。故郷の愛媛・新居浜も瀬戸内海に面しているけれど浜は少ない。ボードを抱えている人も見たことが無い。同じ浜でもずいぶん違う匂いのするその姿に、異国感すら覚えてしまう。環境が人に及ぼす影響の大きさを、あらためて「すげーなー」と思う帰り道であった。

* * *

そして寝落ち。気がつけば、品川に到着、である。
どうも都内、首都圏での子育てが上手くイメージができないこの頃。今回の散歩がなにかのヒントになるかもしれない。これについて、モヤモヤ考えていることはまた今度。

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